傷付いた魂は星のように輝く
めちゃ久々です。ブログ書くのに躍起になるつもりはないんですが流石に放置しすぎましたすみません。
この間ですが、新学期の色々に加えて、論文を書いたり投稿したり、三度目の学振申請書書いたりしてました。あと結婚したので、前撮りとかお祝いとかお返しとかわちゃわちゃしてました。コロナワクチンの接種も済ませましたがそれはまた別の機会に。
大学院も3年目で折り返しとなりました(医薬は4年間あります)。先述の通り論文書いて投稿してはいますが、reject続きで気疲れしています。そろそろ業績がほしいところ。。。
人間の得手不得手を考えたときに、自分には研究向いてないんだろうなと思うことが多々あります。具体的には、データ出したり解析したりはある程度できますが、論文にまとめたり申請書を書いたりする能力が低いです。
自分ができないと思うことを確かにできないと認めるための過程は、苦しいですが大切だなと常々実感します。部活動やサークルで長をつとめた時にも同じことを感じていました。
すでに投げ出したい気持ちも満タンなのですが、ひろゆき氏の優しいことばに救われつつ、残り半分をきった大学院生活を乗り越えていきます。
【ひろゆき】研究の辛さに博士課程を中退するか悩む視聴者の相談に答えました - YouTube
タイトル回収しときます。
もう終わりましたが、今期のアニメでSSSS.DYNAZENONという特撮アニメがありました。電光超人グリッドマンという昔の特撮のスピンオフらしいですが詳しくないですすみません。
このSSSSは"Scarred Soul Shine like Stars"の略ですが、これを訳すとタイトルになります。最近この言葉にハマっています。
傷がつくと輝くというのは人生そのものかもしれないなと最近よく思います。米津玄師さんも同じようなことを仰っていました。
https://natalie.mu/music/pp/yonezukenshi16/page/2
宝石は偶発的に石として生まれて、人間の手で発掘されて、いろんな研磨やカットを経て美しい形にたどり着く。それって要は原石を傷つけることだと思うんです。それで美しく形を整えるということは、本質的には傷を付けることに近いと思っていて。
同じように人間も生まれた瞬間は球体で、そこから家庭環境や友達付き合い、いろんな外からの刺激によって傷が付いていく。丸だった形が変化して、摩耗したり研磨されたりして、たくさんの傷が付いて、形が角ばって、それによって光が反射する宝石になっていくんじゃないかと。
傷だらけの魂を、美しいものと肯定できるようになりたいですね。傷つくことは怖いし、傷口をまじまじと見るのも嫌ですが、立ち向かうことでしか手に入らないものもあるのでしょう。
精進します。
友と呼んでくれたあなたに恥じない学びをしよう
かなり久々に書きます。いやもう公私ともに忙しくてブログ書いてる暇なんてなかったよね。
気がつけば3月も終わろうとしています。合格おめでとうと卒業おめでとうの時季が終わり、直に入学おめでとうの季節がやってきます。あ、該当の皆様におかれましては何かしらおめでとうございました。
今年はコロナの影響で追いコンなんてできませんでしたね。弊研究室では、オンラインで卒業生の皆さんからお言葉をいただきました。最後くらい一緒に飲み明かしたかったですね。
卒業生の中に、とある留学生がいました。彼は日本語をそこまで話さなかったので、もっぱら英語で会話していました。イメージ的にはルー大柴さんの英語と日本語の割合が逆になった感じです。
「もっぱら英語で会話していました」なんてカッコつけましたが、嘘です。僕の壊滅的な英語力では、まあセミナーでの質疑応答くらいならできるけど、日常会話なんてうまくできた試しがなかったです。僕との会話は、彼にとっては大きなフラストレーションだったんじゃないかということは、想像に難くなかったです。
なので彼のスピーチには驚かされました。
彼はここで過ごした日々や研究のこと、これからの展望などを語ってくれました。そして最後に、Acknowledgements を言い始めました。まずは指導教官や教授、次にチームの学生、そして最後に呼ばれたのは、なんと僕でした。
Thank you, XXX sennsei, XXX sennsei, ……
and my friends, XXX sann, XXX sann, SKNHKN kunn.
でも僕は、あなたに友と呼んでもらえるほど、多くのものを与えてはいない。僕があなたの立場なら、きっと僕を友と呼ぶことはなかったと思う。僕はあなたに、友と呼んでもらえる価値のある人間ではない。
『ここは今から倫理です。』という漫画があります。高校を舞台に、倫理教員が授業や会話を通じて、受講生の苦悩や葛藤にそっと寄り添うお話です。生き方の問題なので、先生が答えを用意することはありませんが、先生の言葉は生徒がそれぞれの答えを出す手助けとなります。
倫理は人の心に触れ、自分の心に触れてもらう授業です。
『ここは今から倫理です。』第1話より
人気の作品だったようで、NHKでドラマ化されました。個人的評価ですが、ドラマより圧倒的に原作の方がいいです。それはともかく、ドラマの関連番組として『ここはぺこぱと倫理です。』という枠がありました。
この番組中で取り上げられた投稿が、Twitterでバズっていました。テーマは「勉強するのは、何のためですか?」
これだなぁ。大人になってからより一層感じるな。 pic.twitter.com/OL4t2vSWEf
— こげめがね (@iroiro_megane) 2021年3月8日
素敵な答えですよね。知識は想像力を養い、想像力は優しさに繋がります。
僕は英会話がてんでできなかったわけだけど、それだけならまだしも、もしかすると僕が知らず知らずのうちに(正しいと思っている英語で)彼を傷つけてしまったかもしれない。
彼がD論発表会に向かう前、僕は Do your best!と言って、そのあと少し後悔した。「最善を尽くせ」あるいは単に「頑張れ」だが、なんと傲慢な言葉なのだろうか。You can make it.の方が良かったんじゃないか。これは杞憂なのか。それすらわからない。
僕がきちんと勉強していたら、彼ともっと繋がれた気がする。彼から友と呼ばれることに、誇りを持てたかもしれない。
烏滸がましいことだが、特に新入生の皆さんに伝えたい。勉強するというのは素敵なことだ。瞬間瞬間を、何かを養い取得する機会としてほしい。その知識と経験で、人を幸せにしてほしい。
もちろん僕もまだまだ努めます。彼に友と呼んでもらえた以上、僕はそれに応えたい。たくさん勉強して、彼の友として恥じない人間になりたい。
Thank you, my friend. I am so proud of you.
新年のご挨拶(駄文スタート)
めちゃくちゃ久々に書きます。11-12月が忙しすぎて余裕ありませんでした。諸事情でラボのマンパワーが不足しており仕事が終わらない毎日です。
12/31も昼まではラボ行ってたので、丸一日休むのは今日だけのつもりです。明日から研究再開です。不思議と充実してて、嫌じゃないです。
さてさて今年は丑年ですね。昨年は子年でしたので実験用マウス、ラットの話をしましたが、さすがに牛で実験したことないので……今年は僕の知ってる牛にまつわるお話を2つばかりします。
その一
干支の12種の動物たちのうち、牛は自分の足の遅さを自覚していたから誰よりも早く出発したのに結局その背中に乗ってきたネズミが一番に神様に挨拶したって話は有名ですね。これ研究で考えるとめちゃつらいですよね…。
子供の頃はじめてこの話聞いた時は、牛がかわいそうでネズミが嫌いになりましたね。今思うとネズミは頭の切れる策士でこれはこれで評価に値しますよね。しかも牛に合わせて早起きしたり、落ちないようにしがみついたりと、ネズミなりの努力はあったんだろうなとも思います。
まぁでもやっぱり牛が不憫ですよね。ネズミが神様と挨拶している間、どんな心持ちでそれを眺めていたんでしょうか。努力と結果は比例してほしいって、真剣に願います。
そのニ
夏目漱石が芥川龍之介に宛てた書簡のお話です。芥川は当時若く、自信がなく小説を書き続けることに不安を覚えていました。周囲の評価もあまり良くなかったようですね。
そんな芥川に漱石は、小説を書き続けるよう、手紙に記します。
大正5年8月21日(月)(一部抜粋)
勉強をしますか。何か書きますか。君方は新時代の作家になる積でせう。僕も其積であなた方の將來を見てゐます。どうぞ偉くなつて下さい。然し無暗にあせつては不可ません。たゞ牛のやうに圖々しく進んで行くのが大事です。
大正5年8月24日(月)(一部抜粋)
牛になる事はどうしても必要です。吾々はとかく馬になりたがるが、牛には中々なり切れないです。僕のやうな老獪なものでも、只今牛と馬とつがつて孕める事ある相の子位な程度のものです。
あせつては不可せん。頭を惡くしては不可せん。根氣づくでお出でなさい。世の中は根氣の前に頭を下げる事を知つてゐますが、火花の前には一瞬の記憶しか與へて呉れません。うんうん死ぬ迄押すのです。それ丈です。决して相手を拵らへてそれを押しちや不可せん。相手はいくらでも後から後からと出て來ます。さうして吾々を惱ませます。牛は超然として押して行くのです。何を押すかと聞くなら申します。人間を押すのです。文士を押すのではありません。
焦ったり、諦めたり、時にスピーディーな判断が大事な場面もあることでしょう。でもそうすることは、図々しく悠然と続けることより簡単なことなのです。
私事ですが今年は入籍を迎える節目の年です。同時に博士課程も折り返しとなり、公私ともに忙しない毎日になりそうです。なのでここ数ヶ月のようにブログはだいぶ投稿頻度が落ちるかもしれません。
まあそんなこんなも、牛のように、図々しく、着実にやっていきますよ。継続は力だ。
みなさんはどんな一年にしたいですか?
明けましておめでとうございました。今年もどうぞ、よろしく。