O-721

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自己満足を形にします。大学院生だったり薬剤師だったり。

(自己流)学術総会の歩き方

 

久しぶりの更新です。色々が重なって、バタバタしているうちに気がつけば10月も終わりです。振り返れば、10月に1記事も書いていないではないですか。由々しき事態なり。

無理ないペースで続けていこうとは思って始めたブログですが、もうちょっとちゃんとやらないとなあ・・・。

 

さて、今週末は3連休。ですが、薬剤師や臨床薬学研究者の多くは日本医療薬学会年会にご参加されるのではないでしょうか。

www.congre.co.jp

こちら、日本全国の薬剤師や臨床研究者が集う、年に一度の大規模学会です。毎年1万人弱くらいは参加されるのではないでしょうか。

僕は、今回発表はないのですが、勉強がてら、薬剤師研修センターの単位を集めに参加します。後輩は発表するので、その様子も見たいですしね。

しかし、学会のプログラムを見ていてこう思う方も多いのでは。

「この時間帯、気になるセッションが重なってる…どっちに行こう…」

というわけで、今回のお題は「(自己流)学術総会の歩き方」です。学会期間中様々ある演題やセッション、それらをどう見て回るのがいいか。自分なりに意識しているルールをまとめてみました。

 

シンポジウム・特別演題

比較的大きな部屋で開催されるものですね。当該分野の著名な先生がご講演されます。あるいは1つの大きなテーマのもと、複数の先生方で演題を持ち寄って最後にフリーディスカッション、というのもありますね。

僕がこうしたセッションに行こうと決めるのは、以下のどちらかです。

  • 個人的に興味のある分野、あるいは新規にはじめた研究課題など、当該分野についてまだまだ知識が足りない場合
  • 自身が専門としている分野で、知識の確認・更新や、聴衆への発表方法を習うことを目的とする場合

全然知らないかめっちゃ知ってるかのどっちかです。

というのも、こういったセッションでは「総論」はありますが「各論」はありません。

「結果」が示されることがあっても、「方法」が示されることは少ないと思います。

したがって、自身の研究や業務に直接的に活かしにくい内容が多いと考えます。

なお、シンポジウム同士が、同じ時間帯に重なってしまった場合は、知識が足りない方を優先すればいいと思います。イメージとして、シンポジウムは0を+にはできますが、+を++にはしにくいものです。

シンポジウムでの勉強をきっかけに、専門とまではいかなくても話はわかるぜ、という分野を増やせていけばいいと思います。

 

一般演題(口頭)

若手の研究者や薬剤師さんが多い印象です。たまに大物先生が紛れていて「!!?」ってなります。

先ほどとは逆に、各論を知る絶好のチャンスです。したがって、こうしたセッションに行くのは

  • 自身が専門としている分野で、自らの研究デザインや結果との比較・議論をしたい場合
  • 自身の専門分野でともに研鑽を重ねる同志を見つけ、交流を深めたい場合

あるいは

  • 自身がこれから新規に研究を始めるに際し、手本となる先行研究(主にデザイン)や、発表方法(technical termを含む)について知りたい場合

になるかと思います。つまるところ、何か具体的に知りたいことがあった時に行くセッションです。

 

ポスター発表

一応口頭と分けましたが、こちらも先述の口頭発表と同じく、何か具体的に知りたいことがあった時に行くセッションです。

しかし、口頭演題と大きく異なるのは、「質問すること」に対するハードルの低さです。 

口頭発表では、例えば「発表10分+質疑応答3分」といったように、1演題あたりに割くことのできる時間は限られています。

理想的な質疑応答は、明確な質問に対し簡潔な回答という形で、1つにつき1分です。しかし、そんなうまくいく質疑応答はまあありません。

この時間が限られるというプレッシャーに加え、大勢の聴衆の前で手をあげて名乗り出なければならないという緊張感が合わさった結果、

「気になるけど…まあ、いっか。」

になってしまうことも多々あると思います。僕はあります。

それに対しポスターは、示説時間(ポスターの前に演者がいなきゃいけない時間)という大枠の時間制限はありますが、その時間内であればどう動いても自由です。あらかじめ狙いを定めていたポスターを見て回るも良し、その場で気になったポスターを見るも良しです。

ポスターのいいところは、自然と「会話」が発生する点です。発表者からすれば、自分のポスターを見ている人には、何か声をかけたくなるもの。

そこで生まれるのは「質疑応答」のような形式ばったものではなく、もっと自由な「会話」です。この「会話」がいいんです。個人的には、ポスター発表こそ、学会期間中に必ず行くべきセッションだと考えます。逆にシンポジウムとかは、行くだけ行って勉強した気になってる人も多そうです(自戒)。

 

その他

最近は「ワークショップ」という形式で、実際に手を動かしたり議論をする形のセッションもあります。これは

  • 自身がこれから新規に研究を始めるに際し、その実験や解析手法、注意点について具体的に知りたい場合
  • ディスカッションの方法(注意点)について知りたい場合

などに行くべきかと思います。

 

また、英語セッションは

  • 自身が専門としている分野で、英語での発表・表現方法を習うことを目的とする場合

に行くものでしょうか。あとは、自分の専門分野の発表を英語で聞くのってどんな感じだろうか、といった怖いもの見たさ?もあります。

 

最後にランチョンセミナー。企業協賛で、お弁当が出されるものですね。

これは、僕が自分に課している当然のルールなのですが…

まず、行く先は必ず「内容」で選びます。「企業」で選ばない。お弁当の中身を目当てにしない(実際そんなに変わらない)。

そして、出来るだけ開演前に食べきる。食べながら聞きながらメモとるなんてできません。

 

 

こんなところでしょうか。

まとめると、

  • シンポジウム・特別公演:めっちゃ知ってる内容か全然知らん内容か
  • 一般公演(口頭・ポスター):専門分野(質問できるレベル)、ポスターおすすめ
  • ワークショップ:方法論を概念ではなく具体的に学ぶ

です。今回の学会も実り多きものになるよう、精一杯学んで来ます!