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自己満足を形にします。大学院生だったり薬剤師だったり。

主題歌で振り返る平成ライダー(後編)

2000年に始まった仮面ライダークウガから始まった通称平成仮面ライダー20作品目である仮面ライダージオウも最終回を迎え、先週からはいよいよ令和初の作品、仮面ライダーゼロワンが始まりました。もうちょっと早い目にこの記事書きたかったな…。

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繰り返しになりますが、平成仮面ライダー20作品の各1、2話はYouTube東映特撮YouTube Officialチャンネルで公開されているので、興味を持っていただけた作品があればぜひご覧ください。さらになんと仮面ライダーゼロワン1話も配信されました!

www.youtube.com

今回は、前回の続き、平成仮面ライダー後半10作品(W〜ジオウ)の簡単な紹介と、その主題歌において個人的に好きな歌詞をご紹介したいと思います。

 

目次

 

「二人で一人の仮面ライダーさ」仮面ライダーW(ダブル)

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ディケイドが終わって最初の仮面ライダーは、シリーズ初、2人で1人の仮面ライダーに変身します。故に主演は二人、桐山漣さん菅田将暉さんです!

舞台は仮想都市「風都」。とある企業によって「ガイアメモリ」と呼ばれる、USB型の違法ドラッグが流通され、これを購入・使用した人間が「ドーパント」という怪人になります。

ダブル(W)である二人は、(主に桐山漣さん演じる左翔太郎が)普段は自営業の事務所で探偵業を営む一方、(こっちは菅田将暉さん演じるフィリップも加えて)ドーパント、ガイアメモリ絡みの事件解決に介入していきます。Wは純正化されたガイアメモリを使って変身し、ドーパントからガイアメモリを抜去・破壊します。決め台詞は「お前の罪を数えろ」

左右ぞれぞれ3本ずつのガイアメモリがあり、変身パターンは9種類(+αもありますが)となります。それぞれ選ばれたメモリの色が反映されるため、左右で色が異なる見た目となります。そのため劇中では「半分こ怪人」と言われることも。。。

ハードボイルドを目指しながらも優しさや甘さを忘れられない、まだまだ半熟(ハーフボイルド)な左翔太郎と、理性的すぎるあまり人の心情を理解できないフィリップ。二人が交わり合い、またWとして戦う中で、それぞれが成長していくヒューマンドラマです。

主題歌は、上木彩矢さんTAKUYAさん、2人で1人のコンビとして歌う『W-B-X 〜W-Boiled Extreme〜』。歌詞はこちらから。

最高のパートナー 出逢う時

奇跡おこる (So we can make it

W(ダブル)を捜せ

「2人で1人」ということを強調するフレーズが散見されます。唯一無二の相棒との友情を描いた作品にうってつけの書き下ろしですね。

 

「俺が変身する!!!」仮面ライダーOOO(オズ)

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12作品目は仮面ライダーOOO(オーズ)。さん演じるその日暮らしの旅人、火野映司が主人公です。正義感が並外れて強く、人を救うためなら多少の自己犠牲を厭わないところがあります。それ故、キャッチコピーは「俺が変身する!!!」。

800年前に封印された怪人「グリード」が目覚めるところから物語は始まります。グリードはメダルの怪人であり、最大9枚のコアメダルと多くのセルメダルから成ります。作中では、アイスの棒がコア、アイスがセルだと例えられていました。

コアメダルは、鳥系・昆虫系・猫系など、いくつかの種類があります。800年前、コアメダルは各系統10枚ずつ創られましたが、そこから1枚を取り除いたところ、「欠けた部分を埋めたい」という欲望がコアメダルに宿り、その欲望をエネルギーとして「グリード」が誕生します。この「欲望」というのが、作品を通じての巨大なコンセプトとして存在します。

オーズは3枚のコアメダルを使って変身します。理論上、その組み合わせは125通り+α!作中では、オーズやグリードたちのメダル争奪戦が繰り広げられます。なお、オーズ(OOO)の名前の由来は、欲望の王(グリード)が多種存在すること(王s)、Over♾(無限大を超える存在であること)などがあります。本作中に仮面ライダー放送1000回記念を迎えたことも関係していそうな。。。

主題歌は大黒摩季さんの歌う『Anything Goes!』。このオーズあたりから、主題歌を担当されるアーティストの知名度が高くなっている気がします。歌詞はこちら。個人的にはBメロが好きです。

(1番Bメロ)

大丈夫。明日はいつだって白紙(ブランク)

自分の価値は自分で 決めるものさ

(2番Bメロ)

大丈夫。みんなと違ってもいい

別々、それぞれだから そう、奇跡的!

「人間の欲望」というテーマで描かれた本作は、毎回のメッセージ性が単純明快であり、いわゆる名言と呼ばれるものも多く存在します。一方で、単純だからこそ大切な多くのことを教えてくれます。以前の別記事でも少し触れましたが、オススメの一作です。

sknhkn-o-721.hatenablog.com

 

「青春スイッチオン」仮面ライダーフォーゼ

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13作目はイカ宇宙飛行士がデザインモチーフの仮面ライダーフォーゼ。主演を務めるのはなんと福士蒼汰さん仮面ライダーシリーズ初の「学園青春ドラマ」に挑戦されました。また本作は仮面ライダーシリーズ生誕40周年記念作品でもあります。キャッチコピーは「青春スイッチオン」、「宇宙キター!」

怪人は「ゾディアーツ」と呼ばれ、Wのガイアメモリのように、ゾディアーツスイッチと呼ばれるアイテムを使って学園の生徒が変身します。すなわち、学園内で生徒にスイッチを手渡し、流通させている何者かがいます。

これに対抗するのが学園内に創設された仮面ライダー仮面ライダーフォーゼは、4つのアストロスイッチを駆使して変身し(段々数が増えてきますね。。。)、ゾディアーツスイッチを破壊します。アストロスイッチは全部で40種類あり、両手両足の4箇所にそれぞれ適応するモジュール(ロケットやドリル、レーダーなど)を発現させます。

本作では学園物らしく「友達」「友情」がキーワードです。福士蒼汰さん演じる主人公の如月弦太朗の口癖は「この学校の生徒全員と友達になる男だ!」です。熱血漢である如月弦太朗は、生徒にとどまらず関係するいろいろな人間と仲を築いていきます。

主題歌も学園物らしい書き下ろしです。『Switch On!』、歌うは土屋アンナさん! 歌詞はこちらから。個人的に好きな歌詞は

(1番Bメロ)

公式なんて意味がない

人の話だけで 知った気にならないで

果敢にタフにチャレンジ

(Cメロ)

始まったもの いつか終わりが来るから

限られた「今」という 月日全力で… Run Up

また、サビの最後のフレーズが最も学園物らしいです。

(1番サビ)

止まらない Growing  超刺激的 スクールデイズ

(2番サビ)

日々悩み  Growing  超シビれる スクールデイズ

とても挑戦的な作品だったと思います。好き嫌いは分かれるかもしれませんが、リーゼントヘアでツッパリ不良姿の福士蒼汰さんはレアでしょう?

 

「さあ、ショータイムだ!」仮面ライダーウィザード

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シリーズ初、魔法使いをテーマとした仮面ライダーです。主演は白石隼也さん。キャッチフレーズの「さあ、ショータイムだ!」は、白石隼也さん演じる主人公、操真晴人の口癖でもあります。

本作品における敵は「ファントム」と呼ばれ、「絶望」によって心が崩壊した人間から生じます。すなわちファントムは、元の人間の絶望の象徴です。元の人間に擬態可能な上、記憶も有してはいますが、凶悪な全くの別人格となっています。

この「絶望」を乗り越え、内なるファントムを制御できたものが本作での仮面ライダー、すなわち魔法使いです。魔法使い、仮面ライダーウィザードは、絶望しファントムを生み出す前の人間の心の世界「アンダーワールド」に入り、暴走するファントムを破壊することで命を救います。絶望を乗り越えることができた操真晴人が、過去の自分と同じく絶望に負けそうになっている人々に投げかける言葉は「俺が最後の希望だ」

本作ではW、OOO、フォーゼで見られたような比較的たくさんのフォームへの変身はありません。の4つのエレメントに属する各形態が基本フォームです。平成ライダー最初のクウガと似た感じですね。

個人的に思う今作の最大の特徴はベルトがうるさい。リズムに合わせてものすごい喋り(歌い?)ます。待機音が「シャバドゥビタッチヘンシーーーン」です。その後もものすごい歌います。今作くらいから以降、ベルトがうるさいです。あと最強形態が眩しい(「ウィザード インフィニティ」 で検索!)。

主題歌はゴールデンボンバー鬼龍院翔さんが歌う『Life is SHOW TIME』。歌詞はこちら。全体的に明るい(希望的な)曲調・歌詞ですが、Cメロでの落ち込みというんでしょうか(絶望?)、がすごく好きです。

理想は常に高く 目の前で届かない

だけどショーは待ってくれない

幕が上がれば演(や)りきる 終わりまで

正直、人生全部の出来事これです。理想のコンディションで臨めることなんて滅多になくて、でもだからこそ全力でやりきるしかないんですよね。物語そのものとは関係ないんですが、単純に歌詞として好きです。

 

「ライダー戦国時代」仮面ライダー鎧武(ガイム)

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響鬼以来の和風ライダーです。コンセプトは戦国武将×フルーツ。キャッチコピーは「ライダー戦国時代」「キミはこの力、どう使う?」「キミはどのフルーツが好き?」。ちなみに小学生?を対象に行った好きなフルーツアンケートで1位がミカンだったため、主人公のライダーモチーフがオレンジになっています(オレンジとミカンは違うだろ!)。
今作、背景を事細かに説明すると、聖書まで引用しなくちゃいけないので、簡単に済ませます。脚本担当の一人が『魔法少女まどか☆マギカ』を手がけた虚淵玄さんだと言うと、一部界隈は理解を示してくれます。

現在の人類・地球の進化のため、現在の人類・地球は滅ばなくてはならないという考えが根幹にあります。創造のための破壊、というものです。この破壊を担うのが、外来植物でできた森、通称「ヘルヘイムの森」です。ヘルヘイムの森にできた果実に秘められたエネルギーを、現在の科学によって利用可能としたものが本作でのライダーシステムです。

野岳さん演じる主人公、葛葉紘汰をはじめとしたライダーたちは、最初は自身の所属するダンスチームの縄張り争いのためにこのシステムを利用します(システムデータ採取のための実験でした)。ダンスしろよとか言わない。その中で、ヘルヘイムの森の侵略を隠蔽しようとする大企業の裏工作や、ヘルヘイムの森に実る「創造」のための果実(黄金の果実)の存在を知りながら、物語は世界の破壊/創造へと進んでいきます。

本作久々にドロドロ要素が多いように思えます。感覚的には平成ライダー初期の、龍騎・555あたりで見られた設定が見受けられます。ただやはりベルトが喋ったりと、コミカルな要素もバランスよく残されています。あとやはり最終形態がダサい…!

主題歌は湘南乃風(「鎧武乃風」という名前でしたが)の歌う『JUST LIVE MORE』。これまた有名どころが歌ってくださいました。歌詞はこちらから。サビがとても好き。

うつむくなよ(顔を上げろ)

どこまででも(曲げることなく)

信じた道を行け JUST LIVE MORE!

本作では主人公をはじめとする登場人物の苦悩や葛藤が多く描かれます。そんな彼らの物語に当てられた曲名が『JUST LIVE MORE』。僕の貧弱な語彙力では日本語に意訳できませんが、誰にも、自分にも負けずに、生き続けなければならないということだけはわかります。見続けるほどハマる一作です。

 

「この男、刑事で仮面ライダー!!」仮面ライダードライブ

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キャッチコピーは「この男、刑事で仮面ライダー!!」。ざっくり説明ありがとうございます!竹内涼真さん主演の仮面ライダーです。しかもヒロイン役は内田理央さんとシリーズ屈指の美男美女揃い…!

今作最大の特徴は、仮面ライダーの乗り物がバイクではなく自動車という点です。真っ赤なスポーツカー「トライドロン」を乗り回します。いやそれはもう仮面ドライバーでしょ。しかし残念なことにAT!車推しならMT頑張って欲しかった…。

本作の敵は「ロイミュード」と呼ばれる、人口的に造られた108体の機械生命体です。元々は科学者である蛮野博士とクリム博士によって、科学の発展のため生み出されたアンドロイドです。カブトでのワーム同様、人間の姿をコピーすることができます(ワームと違ってコピー元を殺害する必要はないようです)。加えて、重加速現象、通称「どんより」という、一時的に重力を増加させる能力を持ちます。

蛮野博士が残忍な実験を繰り返す中で、自我を持ったロイミュードが反逆を起こしたのが事件のきっかけです。ロイミュード達は世界規模での重加速「グローバルフリーズ」を起こし、憎むべき人類の滅亡を決意します。手始めに殺害されたのが蛮野博士とクリム博士ですが、この時クリム博士は自身の意識をデータ化し転送、保存することに成功します。

このデータ化されたクリム博士こそが、今回の変身ベルトなのです!まさかの元人間!!だからめっちゃ喋る!竹内涼真さんと喧嘩したり恋バナしたりする!斬新!!

竹内涼真さん演じる警察官、泊進ノ介は、ベルト(クリム博士)とともに、108体のロイミュード撲滅に向けて戦いを始めます。その中で、ロイミュードにも優しい心を持った者がいて、人間と心を通わすことの可能性を感じます。果たしてロイミュードと人間は相入れる存在なのか…。

 主題歌は松岡充さんの歌う『SURPRISE-DRIVE』。歌詞はこちらから。

Surprise 世界中が Drive! (It’s faster than ever)
Feelin’ high 目醒めるような  (Drivin’ Show me)
始まる 運命には (keep chasin’ forever)
バックギアはない… All we need is “DRIVE”

ドライブというタイトルにふさわしい、疾走感のある一曲です。それこそドライブするときによく流す曲ですね。Bメロの「Fire Up, Ignition  ヘヴィーなプレッシャー ぶっ壊して アクセル踏み込め」なんかテンション上がります。でもアクセル踏み込まない。ブレーキは大事。

 

「命、燃やすぜ!」仮面ライダーゴースト

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西銘駿さん主演の17作品目! キャッチコピーは、「命、燃やすぜ!」「ヒーローは、一度死んで甦る。」「ゴーストアイコン争奪戦!!」

なんと1話で主人公が絶命します。今回の敵は「眼魔」という幽霊です。実体がないというところで、過去の怪人達とは毛色が異なります。お寺の跡取りでありゴーストハンターである主人公、天空寺タケルは仮面ライダーとして(一時的に)生き返り、自らを殺し仲間を傷つけようとする眼魔を退けます。そして、ゴーストとしていられる99日間のうちの復活を試みます。

今作のテーマは「魂」「命」などの観念的かつ人間的なもの。変身には「魂」の籠ったアイテム「眼魂(アイコン)」を使いますが、基本形態で用いる魂は主人公自身の魂「俺眼魂(オレアイコン)」です。その他、歴史上の偉人の魂の力を借りて戦うことができ、「(宮本)武蔵眼魂」、「エジソン眼魂」、「ニュートン眼魂」などがあります。

本作では、人間を「感情的になり非合理的な存在である」とする眼魔たちに対する形で、そんな感情や魂のおかげで豊かに力強く生き抜くことのできる人間の素晴らしさ、人間の無限の可能性を説いています。キャッチコピーの「命、燃やすぜ!」は主人公の決め台詞でもあります。

主題歌は『我ら思う、故に我ら在り』 。デカルトが自著『方法序説』に記したことで有名な「我思う、故に我在り(Cogito ergo sum)」をもじったタイトルです。歌うのは氣志團の皆さんで、非常に漢気溢れる一曲になっています! 歌詞はこちらから。比較的短い曲ですが、生きることの素晴らしさをド直球に伝えてくれる名曲です。個人的にはライダー主題歌の中で一番好きです。

同じ時代に今 出逢えた仲間達よ 我ら思う、故に我ら在り

新しい歴史に 漕ぎ出せ仲間達よ 我ら思う、故に我ら在り

同じ時代に今 息する仲間達よ 我ら思う、故に我ら在り

花よ 鳥よ 風よ 月よ 儚き命よ 我ら思う、故に我ら在り

人生は誰も皆 一度きりさ 思いのままに

僕はこの曲を聴く時、中高の部活動や大学のサークル、研究室の同期など、今までの人生でともに楽しみや苦しみを分かち合った友達の顔が思い浮かびます。

会うことが難しくなった人も多いですが、みんなそれぞれの場所で頑張っているはず。魂燃やして生き抜こう!我ら思う、故に我ら在り。

 

「ゲームスタート!」仮面ライダーエグゼイド

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ふざけた特徴的な見た目の18作目、仮面ライダーエグゼイドを演じるのは飯島寛騎さん。エグゼイドは英語でEX-AID、これは究極を意味するEXtremeと救助を意味するAIDを掛け合わせた造語です。仮面ライダーシリーズ生誕45周年記念作品である本作品は、ゲームと医療をテーマとした作品となっています。キャッチコピーは「ゲームスタート!」「ノーコンティニューで運命を変えろ!!」。

本作の脅威は、新種の病原体「バグスターウイルス」。過度なストレスによって免疫系の抑制された患者に感染し、「ゲーム病」を発症させます。ゲーム病に罹った患者は、放置しておくとウイルスに体を支配され、ウイルスが増殖しゲームの敵キャラのような個体に成長すると消滅してしまいます。このバグスターを滅することができるのは、ライダーシステムとその適合者だけ。研修医でありながら天才ゲーマーMの異名を持つ主人公、宝生永夢は仮面ライダーとして患者の命を救うべく日々奔走します。

本作の面白いところは、たった一度きりの命を助ける「医療」と、何度でもコンティニューできる「ゲーム」を対比させた構図です。見た目はダサい ふざけている特徴的なエグゼイドですが、重要な生命倫理の問題が垣間見えてきます。

主題歌『EXCITE』を歌うのは超一流ダンサーでもある三浦大知さん!知らない人が聴いたら特撮のOPとは思わないんじゃないかな、そんな一曲です。歌詞はこちらから。

(1番サビ)

EXCITE  EXCITE  答えは

Ⅰ.この手の中

Ⅱ.進むべき Life

Ⅲ.生きていくだけ

(2番サビ)

EXCITE  EXCITE  答えは

Ⅰ.この手の中

Ⅱ.終わり無き Game

Ⅲ.楽しむだけ

 一度きりの人生、精一杯生きて楽しもう。前作ゴーストに続き、「命」を取り上げた作品、楽曲でした。

 

「さぁ、実験を始めようか。」仮面ライダービルド

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今作の主人公はてんっっっっっさい(天才)物理学者(作中表現ママ)犬飼貴丈さん演じる桐生戦兎。キャッチコピーは、「2つのボトルでベストマッチ!」「さぁ、実験を始めようか。」

仮面ライダービルドは「フルボトル」と呼ばれるアイテムを2種類組み合わせることでフォームチェンジします。Wと見た目も似ていますが、今回は1人で1人の仮面ライダーです。各フォームの特性を活かした「勝利の法則」を編み出していくという「実験」的な戦闘スタイルをとります。「創造する」という意味のビルド(Build)というタイトルにふさわしいライダーです。フルボトルは30種類の有機(ウサギ、パンダ、ドラゴンなど)と30種類の無機物(戦車、ロケット、鍵など)の計60本。理論上は900通りのフォームチェンジが可能です。

今作のテーマは「科学と戦争」 そして「Love & Peace」。天才物理学者である主人公ですが、記憶喪失で過去の記憶を失っています。物語の途中、ライダーシステムの完成にも携わったことが明らかとなりますが、そのライダーシステムは現在戦争のツールとして利用されています。苦悩する主人公ですが、科学で愛と平和をもたらすことを決意し、主人公は戦争の中に身を投じます。

これは、いわゆる「銃職人は犯罪者か」という問題です。ダイナマイトを発明したノーベル博士とも通じるものがあります。科学自体は素晴らしく中性で恩恵をもたらすものですが、いつだってその善悪を決定するのは利用者、人間です。アトピーなどの皮膚疾患で苛まれる患者に使われるはずの保湿製剤が健康な方に化粧品のように消費されたり、不眠で苦しむ患者を救うはずの睡眠導入剤がレイプドラッグに使われたり…。

しかし、主人公 桐生戦兎は次のように言います。

人間はそんな単純じゃない。たとえ過ちを犯しても、二度と繰り返さないために何をすべきか、それを体系化して研究するのが科学の役割だ。俺は人間を信じている。

理想を掲げて何が悪い!Love & Peace がこの現実でどれだけ弱く、脆い言葉かなんてわかっている。それでも歌うんだ!愛と平和は俺が(仮面ライダーが)もたらすものじゃない。ひとりひとりがその想いを胸に生きていける世界を造る……そのために俺は戦う。

これが1つの正解だと思います。科学を悪用するのも人間であれば、科学で世界を豊かに、人々を笑顔に、愛と平和を実現できるのも人間です。我々研究者には、そんな人間を信じる強さが必要なのだと教えてくれました。

主題歌はPANDORA feat. Beverlyで『Be The One』。作詞・作曲はなんと小室哲哉さんと浅倉大介さん!歌詞はこちらから。前作エグゼイドの『EXCITE』でも見られた、サビで短い同じフレーズを繰り返す特徴があり、耳に残る曲調です。

何かを助け 救って 抱きしめ

心に触れて 届くよ 伝われ

Be The One, Be The Light

メッセージ 送るよ 響くよ

ネットにはとんでもない嘘の科学や医療を拡散する人がいます。そんな人たちに負けないよう、愛と平和のために、僕たちも正しいメッセージを送り続けたいと思います。

 

「祝え!新たな王の誕生を!!」仮面ライダージオウ

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平成ライダー20作品目にして、平成最後の仮面ライダー。その名も時の王者「ジオウ (時王)」。生薬クラスター各位、地黄じゃないですよ!主演は奥野壮さん。キャッチコピーは「俺は仮面ライダーの王となる!」「祝え!新たな王の誕生を!!」「祝え、次代の王の誕生を。」

今作でも10年前の玩具在庫一掃祭ディケイドと同様、過去20作品の仮面ライダーが登場します。もちろんそのディケイドも登場します。

物語は、王様になるという夢(潜在意識)を持つ主人公、常磐ソウゴの前に50年後の世界から来たという明光院ゲイツが現れるところから始まります。ゲイツによると、未来で常磐ソウゴは全ライダーの力を使える最低最悪の王「オーマジオウ(逢魔時王)」となり人々を苦しめているとのこと。ゲイツが過去に来た目的は、その未来を変えるため、過去の常磐ソウゴを始末することです。

一方で、過去の平成ライダーに類似した怪人「アナザーライダー」が出現し人々を襲い始めます。アナザーライダーは、過去のライダーがいた時代の歴史が歪められ、その存在に代わられることで出現します。常磐ソウゴは、世界をよくしたい、そのための力が欲しいと言い、仮面ライダージオウ へ変身します。これは、最低最悪の王へとつながる決断。しかし常磐ソウゴは、最高最善の王になることを宣言し、過去のライダーの力を集め継承しながら、王への道を歩みます。

ちなみに10年前のディケイド同様、最終形態では20人すべてのライダーの力を駆使します。ディケイドでは「遺影フォーム」なんて呼ばれましたが、今作ジオウ では通称「仏壇フォーム」。身体中に歴代ライダーの仏壇が埋め込まれています。企画陣わざとなのか?

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平成ライダーシリーズ最後となる本作の主題歌は『Over "Quartzer"』。歌詞はこちらから。歌うはShuta Sueyoshi feat. ISSA電王で『Climax Jump』を歌ったAAAの末吉秀太さんと、555で『Justiφ's』を歌ったDA PUMPのISSAさんからなるスペシャルユニットです!

過去の意思は 嘘では欺けない

感じろ そう Nexus Future

歴史が歪められても、過去に活躍した平成ライダーたちの想いは変えられません。ジオウ はその想いを引き継ぎ、未来へ進みます。

本作を製作するにあたり、「レジェンド(過去のライダー)から逃げない」というスローガンがあったそうです。 そのスローガンに見合った、いい最終作品だったと思います。

 

2記事にわたって、本当にざっくりと平成仮面ライダー20作品を振り返ってきました。

記事を書きながら、平成仮面ライダーというものが僕の人生を豊かにし、哲学を作り上げてくれたか、改めてわかりました。

子供向き番組を、何歳まで観るつもりなの?

たしかに、戦闘シーンなんかは特に、見ていてちょっぴり恥ずかしい自分もいます。

でもね、子供向き番組で教えてくれるようなことを分かっていない大人が結構数いると思うんです。

生きていく上で大事なことの多くは理想的であったり、当然すぎて忘れてしまったり、そんなことが多いと思います。

仮面ライダーに限らず、そういったことを思い出させてくれる人や物、作品があって、それに出会えることは、大変な幸せだと思うのです。

 

先週から始まった仮面ライダーゼロワン。これもまた深い設定がありそうです。これからも楽しみに観ていきます。