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自己満足を形にします。大学院生だったり薬剤師だったり。

主題歌で振り返る平成仮面ライダー(前編)

2000年に始まった仮面ライダークウガから始まった通称平成仮面ライダー20作品目である仮面ライダージオウも最終回を迎え、平成仮面ライダーの歴史は幕を閉じました

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僕は初期のクウガ、アギト、龍騎くらいはリアルタイムで見ていましたが、その後は見なくなりました。

再度見始めたのは8作目の電王で、ちょうど中学生になった頃でした。

改めて見てみると、凝った設定などもあり、とても奥が深くて面白い!

また、各作品の物語もさることながら、書き下ろしの主題歌も素敵なものばかりです。特撮らしい、聴いていると元気・やる気が湧いてポジティブな気持ちになります。

20作品の各1、2話はYouTube東映特撮YouTube Officialチャンネルで公開されているので、興味を持っていただけた作品があればぜひご覧ください。

www.youtube.com

今回と次回の記事では、平成仮面ライダー20作品の簡単な紹介と、その主題歌において個人的に好きな歌詞をご紹介したいと思います。

まずは前半10作品(クウガ〜ディケイド)です! 

 

目次

 

「New Hero. A New Legend.」仮面ライダークウガ

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記念すべき平成仮面ライダー1作目。主演は、今では大俳優のオダギリジョーさんです。

キャッチコピーは 「New Hero. A New Legend.」、すなわち「新しい英雄、新しい伝説」ですが、これはTVシリーズでの前作から10年以上の期間を経ての作品ということで、仮面ライダーという作品を新たに始動させるという意気込みの表れかと考えます。

平和を好む青年、五代 雄介(ごだいゆうすけ)を主人公に、未確認生命体とも呼ばれる敵「グロンギ」との戦いを描いた作品です。クウガ色違いの複数のフォームに変身でき、身近なものを武器に変えられるという設定が特徴的です。このフォームチェンジという設定は、以降の平成ライダーにおいても脈々と受け継がれていくことになります。

なお、本作ではクウガ自身もグロンギ同様「未確認生命体」と呼称されています。人間からしたら、異常な力を持つ存在として(少なくとも命名初期は)両者を区別できないという、現実味のある設定かと思われます。

主題歌は『仮面ライダークウガ!』。なんとストレートなタイトル! 歌手は、デビュー曲『大都会』で有名な田中昌之さんです。全歌詞はこちらから。そして個人的にグッとくる歌詞は…

No Fear No Pain 愛の前に立つ限り

No Fear No Pain 恐れるものは何もない

何と言ってもこのサビです。一度聴くと耳に残るリズムとフレーズです。とても青臭い歌詞ですが、作品中の主人公の名言

(あなたの言う事は綺麗事ばかりだ、という指摘に対し)

そうだよ、だからこそ現実にしたいんじゃない。本当は綺麗事が一番いいんだもん。暴力でしかやり取りできないなんて、悲しすぎるから。

これとも相まって、愛と平和を訴えた作品であることが伝わってきます。

 

「目覚めろ、その魂」仮面ライダーアギト

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主演は賀集利樹さんですが、サブライダー(注:作品に登場する主人公以外の仮面ライダー)を務めた要潤さんの方が有名になってしまいましたね。。。

キャッチコピーは「目覚めろ、その魂」。本作では3人の仮面ライダーが登場します。刑事である氷川誠(仮面ライダーG3)、異形に変容する自らに恐怖を抱く大学生・葦原涼(仮面ライダーギルス)、そして本能の赴くままに怪人を倒していく記憶喪失の主人公・津上翔一(仮面ライダーアギト)です。この3人の物語が交差しながら、主人公の記憶喪失の謎などが徐々に解かれる形で作品は進んでいきます。

主題歌は『仮面ライダーAGITO』とこれまた素直なタイトル。歌手は石原慎一さん、特撮やアニメなどのフィールドで活躍される歌手・俳優さんです。

全歌詞はこちら。好きな歌詞はBメロからサビにかけてのこのフレーズです。

また 誰かが 平気な顔をして 夢だと 笑っても …

Ready to Go, Count ZERO  仮面ライダー AGITO!

君のままで 変わればいい

特に最後の「君のままで変わればいい」というのは、仮面ライダーの「変身!」とも掛けた歌詞でしょうが、とても励まされます。変えられるもの、変えられないもの、変わらないために変えるもの、色々な自分を持って生きていくことの大切さと言いますか…(伝われ!)。

 

「戦わなければ生き残れない!」仮面ライダー龍騎リュウキ)

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須賀貴匡さん主演。なんとアメリカで "KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT" としてリメイクされています。

ストーリーは「13人の仮面ライダーが自らの望みを叶えるために最後の1人になるまで殺し合い続ける」というもので、怪人(モンスター)も登場しますが、それよりも人間・ライダー同士の競争や人間関係の描写を重視した作品となっています。キャッチコピーも「戦わなければ生き残れない!」という…。

本作では必ずしも「仮面ライダー = 善人」ではなく、僕のような薄汚れた大人のヲタクには美味しい設定なのですが、メインの視聴者層である子供にとっていい設定であったは、難しいところです。

主題歌は松本梨香さん(ポ○モンマスター目指して旅をするサ⚪︎シくん!)の歌う『Alive A life』。タイトルや歌詞から「仮面ライダー」が消えて、一般曲っぽくなりました。全歌詞はこちらから。好きな歌詞はサビの最後のここです。

夢に向かえ まだ不器用でも

生きている激しさを 体中で確かめたい

この前のめり感!まさに正義のヒーローって感じです。何かとうまくいかない毎日でも、夢に向かって進み続ける、そんな力強さを与えてくれます。

ちなみに、本作の挿入歌である『Revolution』も、前のめり感満載の熱い歌です。グッとくる歌詞はサビにありますここ。

たった一度与えられた 命はチャンスだから

僕自身を勝ち得るため 魂の旅を進んでゆく

OP、挿入歌ともに、本作のキャッチコピーや設定に散見される「生き残る」「殺し合い」などのフレーズに合致する形で、夢や目的に向かって生き続けていくことについて歌っているように思えます。

ライダーシステムこそないですが、実際の人間社会も競争にあふれていますね。たった一度の人生、皆さんはきちんと「自分を生き」られていますか?

 

「疾走する本能」仮面ライダー555(ファイズ

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半田健人さん主演。携帯電話(ガラケー)を使った変身がスタイリッシュでかっこいい! 変身ベルト玩具の売り上げは、シリーズ2位です。ちなみに、本作で最も有名となった俳優さんは、怪人役だった綾野剛さんでしょうか。

作品のキャッチコピーは「疾走する本能」。前作もなかなかに重たい設定でしたが、今作もまあドロドロしてます。敵はオルフェノクと呼ばれる、人間が死後に知的生命体として蘇生した人類の進化形態になります。物語は、人類 vs オルフェノクという形で進行します。しかし、実は作品の訴えるテーマは「人間とオルフェノクの共存です。

本作も前作と同様、ライダーに変身する人間は決して善良ではありません。それどころか、敵であるオルフェノクにも善良な心の持ち主がいたりと、単純な善悪二元論が通じません。というか人間同士の方がよほどドロドロ展開を見せてくれます。「誰を信じ、誰を信じないか」というのも、本作のテーマの1つです。

さらに特筆すべきは、オルフェノクの外見が元の人間と全く同じである点と、意図してオルフェノクになるわけではない人間の心を残したまま異形の存在になってしまった悲劇の者たちとも言える)点です。オルフェノクは元の人格を保ったままですので、考えようによっては人間たり得ますが、超人的な存在となってしまっているため、人類から迫害の対象となります。これが、オルフェノクが人類を滅亡させようと決意する所以です。

物語の面白い設定はもっとあるのですが、言ってしまうとネタバレになるので…。これだけは言わせてください。これは絶対、大人向けの仮面ライダーです。

主題歌は『U.S.A.』で一世風靡したDA PUMPのリーダーISSAさんが歌う『Justiφ's』です。Justify は「正当化する」という意味の英単語ですが、タイトルにある「ファイズ」とかけたのでしょう。全歌詞はこちらから。

好きな歌詞は…多すぎる!すみません個人的にこの曲大好きなんです。カラオケ行ったら高頻度で歌います。

(1番Bメロ)

悲しみを繰り返し 僕らは何処へ行くのだろう

(1番サビ)

また護ることと戦うこと Dilemmaは終わらない…

走り続けても (The) end Justiφ's the mean

(2番サビ)

また信じること疑うこと Dilemmaはキリがない…

さまよい続ける (The) end Justiφ's the mean

歌詞に全ての作品テーマが込められている!! "The end Justiφ's the mean"、つまり「結果が全て」です。人間とオルフェノク、勝ち残った方が、正義です。

 

運命の切札をつかみ取れ!」仮面ライダー剣(ブレイド

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トランプをデザインモチーフにした作品です。なのでキャッチコピーは「今、その力が全開する。」と「運命の切札をつかみ取れ!」です。主演は椿隆之さん。

本作の特徴は、仮面ライダーが職業であることです。給料も出ます!が、この設定はそんなに活かされることなく終わってしまいます。

本作では前作とはある意味逆に、「異形の存在として生まれながら人間の心を持ってしまった者」の物語が描かれます。こういった哲学・倫理的問題提起は、初代仮面ライダーから続く伝統ですね。

物語の背景として、重要となるのがバトルファイトです。何だか頭痛が痛い名称ですね。これは、1万年前に53体の怪人(アンデッド)により自らの種の繁栄をかけて行われたバトルロワイアルです。この時、人間の祖先とも言えるヒューマン・アンデッドが勝利したため、現在の地球上には人間が繁栄していることになります。本作では、その時に封印されたはずのアンデッドが覚醒してしまい、バトルファイトが開始されます。前作に引き続き人類は滅亡の危機です。

本作で(かわいそうに)有名なのは、役者陣の滑舌の悪さです。主人公の「本当に裏切ったんですか!?」というセリフが「オンドゥルルラギッタンディスカー!?」と聞こえたことから、通称オンドゥル語とも言われます。他にも色々あるので気になる方はググってみてください。ちなみに…実際視聴した身として、流石に上の表現は誇張が過ぎると思います(が、まあ、聞き取りやすいかと言われると、、、ねえ?)

主題歌は番組の前半と後半で変わるため2つあります。

前半は、『夢見る少女じゃいられない』でおなじみ相川七瀬さんの歌う『Round ZERO 〜 BLADE BRAVE』。歌詞はこちらから。良いなと思った歌詞は

(1番サビ)

迷わないハズもない それでも明日を探せ

(2番サビ)

無視しないで 取り乱して 自分にたどり着けばいい

迷っても、泥臭くても、足掻け、もがけ、頑張れ。そんなメッセージを感じます。ポジティブ…元気出ますね。

後半の主題歌は、仮面ライダー公式バンドであるRIDER CHIPSRickyさんの歌う『ELEMENTS』。歌詞はこちら。個人的には、歌詞よりも楽曲全体のリズム感がいい主題歌に感じます。特撮っぽくていいですね!

 

「ぼくたちには、ヒーローがいる」仮面ライダー響鬼(ヒビキ)

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見た目恐くね? 本作の仮面ライダー太鼓の達人で、妖怪退治をします。嘘じゃないです。6作目は初めて和をモチーフとした仮面ライダー響鬼。キャッチコピーは「ぼくたちには、ヒーローがいる」。

本作の特徴を言いますと、とにかく渋い! 今はご引退されました栩原楽人さん演じる「少年」が細川茂樹さん演じる仮面ライダー」との関わり合いの中で精神的に成長する物語です。細川茂樹さんの「少年はさ、…」で始まる名台詞の多さ! なお、本作では前作で描ききれなかった「職業としての仮面ライダー」を押し出しています。

子供の頃、偶然つけたTVでこれをやっていて、薄気味悪くて見れなかった覚えがあります(たまたまそういうシーンだったのかもしれませんが)。これが大人になって見直すとめちゃくちゃ面白い!! ザ・特撮といった派手さはありませんが、「格好いい」がそこにはあります。冷静に細川茂樹さん主演は卑怯。個人的に好きな仮面ライダーをランク付けするなら、絶対上位にランクインします。

本作でも前半と後半の2つに分かれて主題歌が別にあります。

前半ですが、実はOPは歌詞のない『輝』という曲です。これはこれで渋くて好きですが子供は困惑必至かと。いわゆる歌だったのはEDにあたる『少年よ』です。歌っているのは布施明さん。どこまで渋くするんだよ!! 歌詞はこちらから。

(1番Bメロ)

少年よ 旅に出るなら 晴れた日に 胸を張って…

(2番Bメロ)

少年よ 旅に出たなら 雨も降る 顔を上げて…

この歌は全体として1つの歌詞って感じなのでここだけ切り取ってもなんですが、しいて切り取るならここの歌詞大好きですまじかっこいい。ちなみに布施明さん(と細川茂樹さん)、この曲で紅白歌合戦出場決めています。

後半はEDがなくなってOPが歌になりました。やっぱり布施明さんで『始まりの君へ』です。歌詞はこちらから。これは本当に全体として1つの歌詞なので、グッとくる歌詞とか選べないです。布施明さんの圧倒的歌唱力も相まって聞いている間ずっとグッときます。

とにかく渋い、大人の格好よさがあります。それでいて子供(少年)へのメッセージにあふれている。オススメできる作品です。

 

「俺が正義」仮面ライダーカブト

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仮面ライダー生誕35周年記念作品として、「最強の仮面ライダーをコンセプトとして制作されました。主演は超有名、水嶋ヒロさん。

 キャッチコピーは「を往き、てをる!」、「俺が正義」。1つ目のキャッチコピーは、主人公である天道総司の名前の由来でもあります。

本作では、過去にシブヤ(渋谷でしょう)に落下した隕石に乗って、ワームと呼ばれる宇宙生命体が日本に襲来します。ワームは人間を殺害し、さらにその人間の外見や記憶をそのまま受け継ぎます(「擬態」と表現されます)。外見が同じ異形のものという意味では555のオルフェノクと類似しますが、全く別の生命体に取って代わられる(生命体として同一由来ではない)点が異なります。

このワームに対抗するのがライダーシステムであり、ワームのもつもう1つの特殊能力である超高速移動に対応できます(クロックアップシステム)。水嶋ヒロさん演じる天道総司は圧倒的な身体能力・頭脳・運・才能をもって戦い、基本負けません。この作品では水嶋ヒロさんのオレ様でオラオラな様子が楽しめます。ちなみにこのクロックアップシステムのせいおかげで雨の雫が止まった中で戦うシーンが制作され、第4話にて既に予算の大部分を費やしたとかいう噂です。

ちなみに本作では、前作での「少年はさ…」語録同様、毎回「おばあちゃんが言っていた」から始まる天道語録が存在します。「病は飯から。食べると言う字は人が良くなると書く。」など、なるほどなものもあります。ちなみのこの考えは中医学で言う医食同源というものですね。

本作の主題歌はYU-KIさんの歌う「NEXT LEVEL」。歌詞はこちら。グッとくるのはサビの

いったい自分以外 誰の強さ信じられる?

 天道総司、カブトというキャラクターを説明するのに、この短いフレーズで十分です。

 

「時を超えて 俺、参上!」仮面ライダー電王

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僕の一番好きな仮面ライダーです。劇場版作品の数も一番多いのではないのでしょうか。好きな平成仮面ライダーのアンケートでも上位となることが多く、ランキングサイト「ランキングー!」や「アニメ!アニメ!」のアンケートでは1位を獲得しています。 

主演は佐藤健さん! 電車をモチーフにしたデザインで、時を走る列車に乗って時間の改変を企てる怪人・イマジンから正しい時の運行を守ります。キャッチコピーは「時を超えて 俺、参上!」、「時の列車デンライナー、次の駅は過去か?未来か?」。

前作カブトは「最強の仮面ライダー」でしたが、今作ではある意味最弱の仮面ライダーと言えます。佐藤健さん演じる主人公は、正義感こそ並外れていますが、温厚な性格で争いを好まない上、不運を引き寄せる体質です。ライダーになって最初の戦いではしばらく敵から逃げ続けるシーンが流れます。そんなのでどうやって戦うのか。今作最大の特徴は、主人公の人格が複数存在する点です。これは、上述の通り単独ではとても戦えそうにない主人公が、敵であるイマジン(主人公サイドはいい人?たち)の協力を得る形で変身するシステムに依ります。すなわち、どのイマジンの力を借りるかによって性格が変わります。見た目やイメージカラーも変わりますので、クウガ以来のフォームチェンジですね。ちなみに頻用されるイマジンの性格は「チンピラ」としか言い表せません。子供に見せていいのかあれ。

時間をテーマとした作品ですが、作品中で

忘れなければ、時間は消えない。

人が覚えてれば、その時間は存在するんだ。 今日のこの日を覚えてる人間が、明日や明後日やその先にいれば、時は消えない。

人の記憶こそが、時間なんだ。

と言及されたように、主人公をはじめとする人間の記憶に関する話や名言が多いです。これまでの仮面ライダー以上にコメディ要素は多めなのですが、それ以上に視聴者の涙を誘うエピソードがたくさんあります(この歳で数回泣きました)。

 主題歌はこれまた有名なAAAさんの歌う『Climax Jump』。全歌詞はこちらから。グッとくる歌詞は…たくさんあるのですが、特にサビの始まりが好きです!

(1番)

始まりはいつも突然 運命を連れて行く Time tripin' ride

(2番)

旅立ちはいつも必然 どうせなら飛び回れ Time tripin' ride

あと3番の最後の 誰より高く 昨日より高く Climax Jump! というのもいいですね。全体的に前向きになれる曲調と歌詞です。

 

「覚醒!運命の鎖を解き放て!!」仮面ライダーキバ

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コウモリをモチーフにしたデザインの仮面ライダーです。キャッチコピーは「覚醒(ウェイクアップ)!運命(さだめ)の鎖を解き放て!!」、「それはバイオリンをめぐる、父と子の物語…」。

キャッチコピーにもあるように、これは親子の物語で、現在である2008年と過去の1986年、2つの時間軸でそれぞれ物語が展開します。2008年パートでの主人公は瀬戸康史さん(子、紅渡 役)、1986年パートの主人公は武田航平さん(父、紅音也 役)が演じられました。

ちなみに仮面ライダーシリーズ初、ベルトが喋ります(厳密には自我を持ったモンスターが変身ツールになる、といった設定です)。声優さんはなんと杉田智和さん(銀さん!!)。なお、このベルトが喋る(意味を認識できる言語を発する)という設定は、次回作以降脈々と受け継がれていきます。

本作では主人公をはじめとする登場人物の恋愛模様の描写が多いです。特に1986年パートですが、ちょっとドロドロした展開もあるため、昼ドラみたいだねということで昼ドライダーなんて言われることも。また、人類を餌とする敵・ファンガイアをはじめとし、人間に非ざる異形のものと人間との恋愛も描かれます。

主題歌はTourbillonさんの歌う『Break the Chain』。歌詞はこちらから。好きな歌詞はサビですね。

(1番)

目に見える不安を数えて止まらないで

目に見えない繋がり信じて動き出そう

(2番)

誰だって独りなんてことありえなくて

そこにある確かな絆を忘れないで

 恋愛や親子の関係を描く物語らしい歌詞だと思います。

なお本作では主題歌もさることながら、挿入歌である『Supernova』が個人的に超好きです。仮面ライダー史上最も熱い挿入歌の1つではないかと。全体的に疾走するリズム感が気分を昂ぶらせてくれます。主人公が他者との関わりの中で一歩一歩自分の殻を破っていく様子を描いた曲です。

(1番サビ)

No one ever knows  僕の音 どこまでも進化する

まだ知らない自分が 目覚めてく… Supernova

(2番サビ)

生まれ変わる自分を 止められない 

(Cメロ)

僕は今 変わってく… 運命の中

小さな星 生まれるみたいに

とにかく前向きになれてやる気が出ます。

キバは今YouTubeで毎週2話ずつ無料公開されているところです。途中からにはなりますが、興味のある方は是非。

 

「全てを破壊し、全てを繋げ!」仮面ライダーディケイド

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平成仮面ライダー10周年記念作品です。タイトルにある「ディケイド(decade)」はそのまま「10年」という意味ですね。キャッチコピーは「全てを破壊し、全てを繋げ!」、「平成ライダー?10年早ぇよ!」。

デザインはバーコードをモチーフにされたようです。すげえどうでもいいんですが、ご本人曰く色はピンクではなくマゼンダらしいです。

本作品では「10年に1度のお祭り」というコンセプトの下で、これまでの平成仮面ライダーシリーズに登場する歴代仮面ライダーが登場します。主役の仮面ライダーディケイドは自身の本来の姿に加え、クウガからキバまでの主役ライダー9人にも変身可能です。主役以外のライダー達も様々な場面で登場します。おもちゃの在庫一掃作品とか言わない。ちなみにディケイドの最強形態では、これまでの9人の平成ライダーの最強形態の力を使えます。この最強形態のデザインがクッッッソだせえ。胸部にこれまでのライダーの写真が張り付いたており、通称「遺影フォーム」です。

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物語の設定としては、これまで別々の世界線パラレルワールド)にあった9つの仮面ライダーの世界ですが、それらが1つに融合し崩壊しようとしています。井上正大さん演じる門矢士(=仮面ライダーディケイド)は全ての世界を旅し、世界の融合と破壊を防ぐ使命を課せられた存在とされます。しかしその一方、訪れる全ての世界では「ディケイドは世界の破壊者である」という扱いを受けます。果たしてディケイドは世界の破壊者なのか、救世主なのか。

「ディケイドに物語はない」と言われる本作の解釈は難しいのですが、「10年に1度のお祭り」という言葉通り、全部の作品を巻き込んで盛り上がれたらそれでよかったんだと思います。これまでの視聴者としては、せっかく綺麗に完結した各作品をディケイドという介入が台無しにする(=世界の破壊者)。一方で今まで見たことがなかった作品については、ディケイドのおかげで知ることができる。ディケイドの役割は、独立した各作品を「平成仮面ライダー」という一連の作品の一部だと位置づけし直すことにあったのだと、僕は解釈しています。

主題歌を歌うのは、格付けチェックで負け知らず、Gacktさん様です。『Journy through the Decade』、「10年間の旅路」、あるいは「ディケイドによって繋がれた旅路」かもしれませんが、歌詞はこちらから。

自分が瞬間ごとに決断する その全てで

未来は 希望にも絶望にも 変わってゆく

だからきっと 信じた道走れ

 Cメロにありますこの歌詞が、ディケイドの強さを支える考え方だと思います。多様な選択肢があり、周囲からも様々なことを言われる、葛藤や苦悩の尽きない毎日の中で、結局最後に決断しなければならないのは自分自身です。その決断は未来を良くも悪くも変え得るものですが、そんなこと今の時点ではわかりません。結果ではなく、自分が良いと信じた道を選ぶプロセスが大事なんだと思います。