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自己満足を形にします。大学院生だったり薬剤師だったり。

夢のある研究の話①

なんだか最近研究がうまくいかないので、こんな研究したいなあってお話をします。叶わないかもしれない夢でも語るだけならいいですよね。

僕の研究分野は、ざっくり言うと免疫です。あと最近はリアルワールドデータ解析にも手を出しています。でも、もともと興味あるのはquality of life・patient report outcomeとか臨床寄りのその辺りだったりします😅 研究室で必ずしも興味にあった課題をもらえないのはよくある話ですよねえ。

その3本柱で、こんな研究できたらなをお話ししていきます。今日はまず免疫!

〈免疫〉

自己免疫疾患について研究しています。関節リウマチとかその辺ですね。

この手の病気は、根治は難しいし、小児の患者さんも多いので、研究者としても薬剤師としても、心苦しい思いをすることが多いです。

自己免疫疾患とは、本来は非自己を排除し自己を守るはずの免疫機構が、何かをきっかけにして自己への攻撃性を持ってしまったことで起こる疾患の総称です。車のブレーキがぶっ壊れて暴走している状態ですね。このきっかけがなんなのかっていうのがまだ諸説あるところで、まだまだこれから研究が求められるところです。

治療は、今のところ、免疫を抑える薬で症状を和らげることしかできません。ちなみに僕の研究課題は、この対症療法を個人個人に合った最適な方法(薬の種類や用法用量など)でやりましょうよというアルゴリズムの構築と提案です。

こういったお薬は、免疫を抑えるので感染症などのリスクは上がってしまいます。あと、たくさんあるお薬の中では比較的高価なものが多い印象です。それを生涯飲み続けなきゃいけないっていうのは、想像するよりも難しいことだと思います。

 

研究する中で僕が「できたらなあ」と思ったのは、おかしくなっちゃった免疫細胞を元に戻す薬の開発です。

この発想は、以前にも触れたウルトラマンコスモスから来ています。コスモスは、ウイルスによって凶暴化してしまった怪獣を治療して元のおとなしい怪獣に戻す、というのが基本の戦闘スタイルになります。

www.youtube.com

このMADはよくできているなあと思います。主題歌もいいですよね。「本当は敵なんていない ウルトラの願い」、コスモスの優しさがよく伝わる。

このコスモスのように、凶暴になってしまった免疫細胞をもとに戻せたら、とても優しいお薬だと思いませんか?

不勉強なので詳しくは分かりませんが、遺伝子治療やiPS細胞移植なんて規模では、もしかすると可能性はあるのかもしれませんね🤔 出来るだけ患者さんに負担のない、受け入れやすい治療だといいのですが。

 

ちなみに、昨年ノーベル賞を受賞された京都大学本庶佑先生の功績から開発されたオプジーボ®️(ニボルマブ)は、がん細胞が免疫にブレーキをかける機構を妨げる薬です。

www.opdivo.jp

この動画分かりやすいですね。あえてブレーキを外すという、ある意味では自己免疫疾患と同じ考え方のお薬です。

こう思うと免疫って、いやお薬って面白いですね。人にとって都合が良ければ薬なんですよ。オプジーボだって、過量に投与すると自己免疫疾患になってしまうかもしれない。ロキソニンだって飲みすぎたら胃を痛めるし、漢方だって比較的安全なお薬ですが、飲み過ぎれば危ない副作用が出ます😔

だから、お薬はくれぐれも、用法用量を守って服用してくださいね😉

わからないこと、不安なこと、お悩みがあればお近くの薬剤師まで!!